青い花 6話 「嵐が丘（後編）」

　やっぱり、この作品すきだわ。

　今回見てて、この作品のとっておきの、とってもいいところを見た気がします。

　あの、杉本先輩の涙が。





　大好きだった。

　学校を移ってからも、上辺から見えない伏流水のように、会えば意識せずにはいられなかった先生。
　井汲に、キャサリンに、過去の分を重ねて、苦い思いも、残る思いの残滓も・・・。


　舞台が終わって、各務先生が楽屋に来て、部員を労う。



「よくがんばったよ、えらいえらい」
「もう、子供みたいに・・・」
　笑う部員。杉本だけ遠くからいつもと変わらない様子で先生を見ていた。



「杉本も、よくがんばったね」
「そうですよ、杉本、功労賞ものですよ」



「ありがとう……」





「……」



　言われて、杉本先輩の睫毛にみるみるとこみ上げる涙は、そのまま、すぅっと流れ落ちた。

「は・・・」
　自分でも流してる涙を不意に思ったのか、声が出てしまう。


　涙を流すのを見て、ふと、それの意味を察して。


「うん、……えらい」





　それを聞いて杉本は泣き入ってしまう。



　杉本は涙もこみ上げる想いもそこで流してしまったのでしょう。

　ああ、切ない。
　思わず、杉本先輩に感情移入して、泣けてしまった。

　「ありがとう」と言われた瞬間、先生と杉本は本当に終わってしまったのを知ったのだと、私は思いました。
　
　図書館のきみ、のことで先生を庇って学校を移ったのでしょうか？
　告白を聞かなかったことにしてくてたこと？
　客演で舞台を成功させてくれたこと？
　理不尽なことをさせてしまって、それに耐えてくれたことに？
　
「うん、えらい……」

　切ない……。
　泣ける……。

　もう、各務先生への想いという、重い荷物をおろして、お互い笑いあえるのでしょうね。




　その一部始終を見てたふみは、気にかかってた先輩に他に好きな人がいるのではないかということを告げる。
　先輩は過去のことだよと、断ったうえで。

「すごく好きだった・・・。　私だけが好きで、それだけのことだったよ」と……。







　先輩が泣いたシーンの演出すごかった。ほんの何コマか不安な表情や「！」の表情をいれて見せる演出は京兄に匹敵します。あと、セリフなしの間がよかったし、絵の動きが抑えられているのに飽きずに見ていられるひとコマひとコマが神懸かってます。
　すごく、すごーくセンスのある作品。

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タグ：青い花 嵐が丘（後編） 6話 切ない、でもあたたかい

コメント 2

＞飽きずに見ていられるひとコマひとコマが神懸かってます。
ゆっくりな作品ですからね、やっぱりそういう部分に良さや悪さが出てきますよね。
私はまだ２話までしか見れてませんが、原作の良さを壊さずアニメの良さを引き出してくれてたと思います＾＾

放送局が少ないのが残念。

by bapio (2009-08-06 07:31) 

bapioさん、コメントありがとうございます。

＞原作の良さを壊さずアニメの良さを引き出してくれてたと
そうですか。原作もこういうふわっとした雰囲気のなのですね。アニメ終わったら原作も読んでみたいですね。

最近気づいたのですが、ひとコマの背景、構図がとってもいいのです。
渦薪かいという人が絵コンテをやってるのですが、謎の人物で変名と言う人もいたりして・・・。http://d.hatena.ne.jp/tokigawa/20090731/p1
この方のBLGでも取り上げてます。

謎です。
by tamapu- (2009-08-08 02:45)